Xenogears
遥か昔。恒星間を航行する巨大な移民船が、突如、システムに異常をきたした。次々と警告を告げるモニターに、一瞬だけ、ゆらめく影。抵抗する間もなく、何者かに乗っ取られていくシステム。我先に船外へと脱出する者を容赦なく撃墜したのは、船自体のレーザー砲であった。艦長は、もはや船を沈めるしかないと決断。自爆システムを起動させる。閃光がきらめき、ゆっくりと船は星へと沈んでいった。そして、一万年後…。
辺境の村「ラハン」には、記憶をなくした若者「フェイ」が暮らしていた。村での生活が3年を数えたある日、それは彼の親友「ティモシー」達の結婚式の前日だった。突如として村に不時着した謎の「ギア」。そのギアを追って襲来したキスレブ軍のギア部隊によって、ラハン村は炎に包まれた。逃げ惑う人々の喧騒の中で、謎のギアがフェイに語りかける。
「さあ、愛に血を流させてやろう…地獄の海のように紅く、深く…」
引き込まれるようにフェイは、謎のギアに搭乗。しかし応戦むなしく、ティモシーはキスレブの凶弾に倒れてしまった。呆然とするフェイ。自分の無力さへの憤りがつのり、意識が遠のく。彼の怒りを吸収するように、機体を発光させるギア…。フェイが意識をなくした瞬間、発光は臨界に達し、村を白く包み込む。そして、すべてが破壊された。意識を取り戻したフェイを待っていたのは、生き残った村人達の怒りの言葉と、得体の知れない何者かを見るような視線だった。追われるように、ラハン村を去るフェイ。しかし、それも一万年にわたって繰り返される悲劇の、ほんの始まりにしか過ぎなかった。